こちらの本を読みました。
ヤマザキ マリ(著)
生きていくために、誰もが必要な【仕事】と【お金】の話。人生の困難に、著者はどんなふうに向き合い、乗り越えたのか。そんなことを知りたくて読んでみました。
人生のうまくいかない時期に、どう向き合えばいいのか。迷い悩んでいるときに、おすすめの1冊です。
仕事も人生も、思い通りにならないことが大半。(俯瞰する、自分に頼る)
著者である漫画家・ヤマザキマリさんのことは、個人的には漫画ではなく、「テルマエ・ロマエ」の映画化で知りました。
その後、いくつかの対談やインタビュー記事、エッセイなどでその魅力を知り、聡明で素敵な方だなと思っていました。
この本を通して、私にとってにいちばん心に残ったことは、自分に頼ることの大切さです。
状況によっては、人に頼ることももちろん大事なこと。一方で、人生の基本は「自分に頼ること」なのだと、あらためて気づかされました。
本を通して著者の考え方や行動をたどってみると、どこまで行っても、「まずは自分に頼る、自分を助ける、自分で何とかしようとする」。その姿勢が貫かれています。
同時に、「こだわりをなくす、潮目が変わる時期を見逃さない」、このことが、著者のタフな人生を支えていることも感じます。
人生がうまくいかない時期に向き合う。
この新刊も、著者の前向きなエネルギーに触れたいと思い購入。
これまで部分的にしか知らなかった、辛く苦しい時期のことが(主に仕事・お金について)より詳しく書かれていて、それらとどう向き合い乗り越えていったのか、その一端を知ることができます。
仕事、人生がつらいときこそ、俯瞰してみる。
ざっとその経歴を追ってみるだけでも、かなり変化と刺激の多そうな人生です。
・17歳でイタリアの美術学校に留学。
・詩人の恋人(イタリア人)と10年暮らす。
・自身はバイトと借金に追われて、常に生活苦。(借金は詩人がつくったもの)
・絵を描く時間もなく、好きな仕事と生きるための仕事の間で常に葛藤。
・妊娠、うつ状態になり入院。
・シングルマザーとして帰国後、漫画家となり、同時に複数の仕事も掛け持つ。
・イタリア人の比較文化研究者と結婚。
・のちに漫画と映画のヒット、その裏では環境が激変。仕事の対人関係、家族関係はトラブル続きとなる・・ 等々。
成功した部分ばかりに目が行きがちですが、行動も努力の量も簡単に真似できるものではなさそうです。
(もし私が同じ状況下にいたら、耐えられずに逃げ出すか、自分で自らの人生を終わらせていたのではと思うほど)
借金や拝金主義の怖さも、ひたひたと感じさせられます。
(色々と抑えめ控えめに書かれているとは思いますが。それでも読んでいて、内臓がぎゅっと締めつけられるような苦しさを感じる場面も)
印象に残った一部をご紹介。
・人生を楽しさや幸福感でアレンジしていけない自分をとことんせめて、失望し、行き場を失う人もいる。人というのは、そういったつらさの壁にぶち当たれば、いくらでも壊れる。
・そして、私も死にたいと思いながらも生き残っていたわけです。
・絵を描くことが好きで、絵描きになりたくて、油絵の勉強を10年以上続けてきたけれど、やっても、やってもそこに道はできなかった。
常にほかのことに足をとられて、苦しいばかりだったのは、好きなだけでは何かが足りなかったからかもしれません。
漫画は好きかと言われたら、正直なところ、すごく好きなわけじゃなかったけれど、自分に合っているんだと思います。やってみたら、そこに自分が行くべき道が開かれていった。
・もし、あの時、私が自分の好きなこと、やりたいことだけにこだわり続けていたら、かえって動けなかった気がするのです。
・潮目が変わる時って、自分のことを俯瞰して、客観的に見ることができるんだと思うんですよ。(中略)今の自分がしがみついていることだけがすべてじゃないってことが、いろんなきっかけで見えてくる。
・うまくいかないことを、いつまでもずるずるとやり続けるんじゃなくて、向こうから新しい波が来たなと思ったら、それまでの気持ちを切り替えて、パッと乗ってみる。
□ 俯瞰すること
□ こだわりをなくすこと
□ 潮目(転換点)、変化を見逃さないこと
これらは、人生を次に進めるうえで、常に思い出したいことだと感じます。
人生の大変な時期も、自分に頼り、時間とともに回復する。
また、著者はある体験から、「自分を頼りにする」ことを発見したといいます。
・崖っぷちに立たされたからこそ、切り抜けるための奇策が生まれる。「助けてよ、自分」とっさに、そう思いました。ほかに頼れる人がいなかったから、そう思うしかなかったのです。「頼むよ、自分」
・私は初めて「自分を支える、もうひとりの自分」を発見したのです。そして、それは今に至るまで私を支えることになる大発見でした。
・途方に暮れた時でも、できるだけ、自分の力でどうにか乗り越えていくしかない。その時に「自分自身を支える、もうひとりの自分」は、唯一無二の心強い相棒になってくれるはずです。
人生の大変な時期ほど忘れがちですが、まず頼るべきは「自分」ということ。
そのことを思い出し、ほんの少し勇気を持つことができれば。
仕事、人間関係、お金、健康のことなど、さまざまな人生の悩みや辛い気持ちも、時間の経過とともに回復していけるのかも。
傍からは順調そうに見える人々の人生にも、想像もしないような苦しい時期はあるわけで。
それが単に見えない(知らない)から、何事もうまくいっていて、困難とは無縁に見えたりすることもあります。
これだけ変化の激しい人生においても、悲壮感がなく明るくエネルギッシュに見えるのは、著者の人となりというか魅力というか。
あらゆるマイナスをプラスに転換できるような考え方や行動を、自らの力で学び獲得してきたからこそなのかも。
・俯瞰する
・こだわりをなくす
・潮目を見る
・自分に頼る
著者ほどの行動力は真似できなくても、上記のことを少しずつでも取り入れることができれば。
人生のあらゆる時期を、乗り越える力に変えていけそうな気がします。
【ヤマザキ マリ】著者ページ・作品を見る | Amazon前作では、重たい話はわりとさらっと書かれていて、よりポジティブな面が強調されていると思います。
こちらを読むと旅をしたくなるかも。
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こちらは、ヤマザキマリさん、とり・みきさんの共著『プリニウス』の取材動画。臨場感ありますね。(引用元チャンネル:TORI MIKI)







