こちらの本を読みました。
瀬尾 まいこ(著)、島田 奈歩(ナレーター)
以前から気になっていた瀬尾まいこさんの作品を初めて読みました。(オーディオブックで読了)
【Audible/オーディブル】 聴く本(* 聴き書きのため、引用として記載した文字が底本/原本と異なるかもしれません。ご了承ください)
少々風変わりでありつつ、それぞれに悩みを抱える個性的な登場人物たち。
けれど、どんなに毒づいたり、よく考えたらかなりとんでもないことをしていても、どこかオブラートに包まれているような、不思議なやわらかさを感じる物語です。
皆、不器用ながらも、こんなにふんわり優しく、愛情深い大人ばかりに囲まれて育つことができるなんて。現実では難しそうだなと思ったりもするけれど。
だからこそ。もしも実際の世の中の人々が、ほどよく気遣い合い、ゆるやかな優しさでつながれていたら、子供も大人も、どれほど生きやすく平和な世界だろうと想像します。
目の前の家族を受け入れて生活する。
この言葉が印象に残りました。
去ったものに手をのばしても仕方がない。
今より大事にすべき過去など、ひとつもないのだから。
何人も親が変わり、何度も家族のかたちが変わり。
時に抑えきれないさまざまな感情を抱えつつも、明るく成長した主人公・優子の言葉が心に残りました。
とてもシンプルな言葉の先に、ひたすら現実を受けれてきた、ある種の達観(淡々とした雰囲気も)が感じられます。
主人公が幼いころから大人に成長する過程で得た思いが、凝縮されて出てきたというか。根底に漂う精神の強さを表すものだと思います。
もともとの人のよさや聡明さがあったとしても。
親や大人という存在に守られなければ生きてゆけない子供が、あらゆる気持ちをやりくりしながら行き着いた答えなのかも。
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親であったとしても、みんな新たな暮らしをはじめるのだ。
去ったものに手をのばしても仕方がない。
今より大事にすべき過去など、ひとつもないのだから。
親が変わっていくなかで、私はそれを知った。
個人的には、「家族とは」ということより、「善良とは」ということについて思いを巡らせた1冊でした。
家族はよいものかもしれないし、面倒なものかもしれない。
血のつながりのある・なし、家族観というものに対する考え方も、本当に人それぞれです。
その関係性が、濃くても薄くてもどちらでもよくて、大事なのは自身が心地よくいられる距離感を見つけられることなのかもしれませんね。
余談:
その他、印象に残ったものは。
・ ロッシーニ(イタリアの作曲家)の話
→ どんな曲か聴いてみたくなる
・ 食べ物や食事の話
→ 食べてみたくなる
物語の中で、食に関する話題や、義父の森宮さんと優子が食卓を囲む場面などが、幾度となく出てきます。
(ケーキ、かつ丼、餃子、ラーメン、ゼリー、うどん、オムライス、ピザ、ハンバーグ、ナポリタン、ドリア、、等々)
その中でも、個人的に妙に惹かれたのが、アップルパイと紅茶。
読後に、あなたが食べたくなるのは何でしょうか?






