本とことば

中年期以降、健康や心身の変化に悩んだときには。悲観より観察

こちらの本を読みました。

角田 光代(著)


人生の中年期ともなれば、体も心もさまざまな変化に直面して、健康の不安も感じやすくなってきます。

これから先、「心身の変化」とうまく付き合っていく方法、ヒントを見つけたい。

そんなことを思い、読んでみました。


中年期以降の健康の悩みも、受け入れつつ観察する。(変化をこわがらないこと)

本のタイトルにあるように、主に「体=容れもの」と、それにともなう「心=中身」の変化について書かれたエッセイ。

著者の角田光代さんが、自らの体験を通し、自身や周囲の人のことなどが、ときに深刻に、ときに面白おかしく綴られています。

中年期に多くの人が通った道、またはこれから通るであろう道。

著者の体や心の変化に対する距離感が、とてもリアル。変化を鋭く観察する一方で、心身の健康に関して無頓着な部分、懸命に対処する部分も混在していたりします。

ときに中身(精神)と容れもの(外見)のギャップに戸惑い、健康不安におびえつつも。

健気に地に足がついた生活感で、中年期の心身の変化を受け入れ共存している様子は、変化を愛でるような、なんだかほっとさせられるものがあります。


30代、40代、50代、60代、、と年齢が進むにつれて、昔は思いもしなかったような不調を、体にも心にも感じる機会は増えていくかもしれません。

こちらの本は、中年期の変化や健康について、少なからず戸惑いを持っている人々に、等身大の向き合い方を見せてくれる1冊だと思います。


年齢を重ねる未来へも、予測と対策をしながら進む。

個人的な感想、気づきをまとめてみます。

  • 加齢による変化は、当然のものと受けとめる。
  • 心身の変化について、必要以上に不安に思ったり悲観しない。
  • 体と心に起きている変化に、適度な関心を持つ。
  • 健康に関して、投げやりになったり放置したりしない。
  • 必要に応じて病院のお世話になりつつ、自分でできる対策も試す。
  • 変わっていく過程を楽しむこと。(面白がりつつ観察)
  • 心と体の変化は、悲観より共存。


人は、急には変化に対応できないものです。なので、変わっていく心身に対し、少しずつ受けとめる準備は必要。

このあたりは個人差もあることなので、それぞれに試行錯誤をしていくことが大事なのかも。


心身の健康と向き合うコツ。(変化を客観的に見る、面白がる)

健康診断や人間ドック、個人的にはわりと事務的に考えていましたが。

著者のように、よい結果もそうでない結果も、面白いもの、楽しみのひとつに転換できると、心と体の健康問題も捉え方が変わってきそうです。

・人間ドックが好きだ。はじめて受けたのは三十七歳のときで、初っぱなからすでに好きだった。

・一度E判定が出たことがある。(中略)中性脂肪値がとんでもないことになっていた。(中略)ところが落第点がついているドック結果もなんだかうれしいのである。

自分の体の、知らないことがたくさん書かれているというのが、おもしろいのではなかろうか。

・十年前にはまったく知らなかった単語が、みんなの口からぽんぽん飛び出す。人間ドックは中年向けコミュニケーションツールでもあるんだなあと、最近になってよく思う。


私の場合は、これまで健診を受けても、指導や注意を促されるようなことがなければOKというかんじで、結果の諸々の数値をじっくり見ることは、それほど多くはなかったような気がします。

視点を変えれば、関心が薄く、もったいないことをしていたのかも。

自分が知らなかった自分を知る、もっと観察する目線を持つことも、新しい前向きな変化なのかもしれませんね。


ボクシングジムに十年以上通い、ランニングを五年以上続けているが、体が鍛えられている気がしない。腹筋が割れたこともなく、背中と下腹部に脂肪がついている。体重も落ちない、体脂肪もほぼ同じ。

(中略)

それでも最近、ふと思うことがある。ジム通いも、ランニングもしていなかったら、どうなっていたんだろう? と。

もし運動する習慣がなかったら、体重も体脂肪も加齢とともにすごいことになっていたかもしれないし、案外昔と変わらなかったかもしれない・・。

誰もが1度は考えるであろう「もし ~ だったら」というのは、確かめようもないけれど。

食べてきたもの、運動、ものの考え方、気持ちの持ち方、行動、、等々。あらゆる習慣で人生はつくられていくことを前提に。

今の自分(心と体)のありようを見て、少しでも何か思うところがあれば、新たな変化に向けて対策してみるよい機会なのかもと感じます。


***

心と体の健康が、年齢とともにどう変わっていくのか。 人生の先のことがわからないのは、誰にとっても同じです。

だからと言って、見た目の変化、細胞の変化、体力の変化、メンタルの変化などに、むやみに不安になるのではなく。

著者のように、「容れもの(体)」と「 中身(心)」の 変化の過程を見守りながら、適度なメンテナンスをしていく感覚が大事なのかもと思います。

本書を読みつつ、それぞれに自身の「容れもの」と向き合っていきたいですね。

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関連:

角田光代さんに関する短い動画。杉並区を拠点に、創作活動されてきた方なのですね。(杉並区公式チャンネルより)

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