【今日のひとこと】
そこに、いつ気付くかですよね。
引用元:
中村 恒子(著)、奥田 弘美(著)
『心に折り合いをつけて うまいことやる習慣』、待望の続編!「人生100年時代」の後半戦に待ち受ける、憂鬱なあれこれと、うまいこと折り合いをつけて生きていくコツを、92歳の精神科医・中村恒子先生と、54歳で同じく精神科医の奥田弘美先生のコンビが対談形式で語り尽くします。老い、孤独、人間関係、終活など、シニアの深刻な悩みにそっと寄り添い、答えを出してくれる一冊です。
(Amazon商品説明より)
年齢を重ねるたびに、つらい気持ち(不安、ショック、悲しい、怖い…)に悩まされれたら、思い出してほしい1冊です。
人生の前半でも後半でも、老いることにどう向き合っていくか戸惑っているすべての人に、やさしく語りかけてくれるような。
世代の違うお二人(92歳 中村恒子先生、54歳 奥田弘美先生)の会話から、知恵と元気をいただけます。
老いることのメリットに目を向ける。【気楽さ、解放感】
『そこに、いつ気付くかですよね。』
奥田先生の言葉です。
「そこ」というのは、中村先生の言うところの、地位も名誉も活躍も生き方も関係なく、人間は必ず死ぬということです。
あの世には何も持って行けないということを、誰もがわかっているはずなのに。見ぬふりをしたり、気づこうとしなかったり。
いつか人生が終わることを受け入れる。
先の言葉が印象に残った理由は。
・ 人は必ず衰えていつか死を迎える。この当たり前のことに、いくつになっても向き合えないままの人生を終えてしまう人は、意外と多いのかもしれないと感じたから。
・ 人生の大事なことに気づくのに、年齢は関係ないから。(10代で気づく人もいれば、80代になっても気づかない人もいる)
・ ただ虚しさや不満で心をいっぱいにして晩年を過ごす。どんな状況にあっても(大病、お金、人間関係の苦労など)諸々を受け入れ、後悔の少ないようできることをして穏やかに暮らそうとする。人は、気づいたときから、どちらでも選択し直せると思うから。
老いることのメリットを楽しむ。
老いて高齢になっていくことは、体力や気力が徐々に減っていくことです。
個人差はあっても、若い頃とまったく同じとはいきません。
若さに固執すること、素直に老いを受け入れていくこと、無気力に諦観すること、無理のない範囲で何かに挑戦してみること。
どんな選択をするのも個人の自由。同じ年を重ねるなら、考え方や捉え方しだいで、より気楽で解放感のある生活にしていきたいものですよね。
例えば。
□ アンチエイジングに過剰反応せず、ほどよく楽しむくらいに。
→ いつか70歳80歳を過ぎて、それでも若さに執着することが本当に自分の幸せにつながっていくのかよく考えてみる。
情報に煽られて高額商品を買っても、そこで年齢が止まるわけではない。
□ いつまでも仕事の中心にいようとしない。
→ 若い世代にどんどんまかせれば、次世代は成長し、自身はラクになっていく。
□ 社交辞令の人間関係から少しずつ離れていく。
→ 50代60代からは、若い頃のような無理な付き合いを徐々に手放し、自分にとってラクで心地よい関係を選べるようになる。
□ 仮に、5年後に人生が終わるとリアルに想像してみる。
→ おのずと優先順位ができて、小さなことに悩まなくなる。
□ 仮に20代30代の見た目と精神を得られたとして、もしもそのまま、あと200年300年生きなくてはならないとしたら、と想像してみる。
→ ゴール(終わり)が見えない、変化もないことへの苦悩を考えると。いつか必ず終わりが来ることも恵みのひとつと思えて、安堵するかも。
□ 老いや死を受け入れることは、心の平和にもつながる。
→ 後悔のないように、今できることをどんどんやっていくきっかけにもなる。
□ 自身が亡くなったあとのことは、家族・次世代に任せる。
→ あとの負担にならないように必要な整理や引継ぎを早めにしておけば、より気楽な晩年を過ごせる。
(単身世帯は今後も増加し、超高齢化社会に合わせた様々な見守りサービスも増えているので。早めに利用できそうなサービスを探してみたり)
外見的にも内面的にも、強迫観念のように若さや現役に執着することで得られるものは何か。
それは自分を幸せにしているのか、虚しくさせているのか。
あらためて問い直しつつ、自然に年を重ねることの豊かさも大切にしていきたいですね。
まとめ
そこに、いつ気付くかですよね。
本当にその通りだなと感じます。
老いることに余計な不安を持ちすぎず、心身を穏やかに過ごすためには、ごくシンプルな基本を大切にすることなのだと再認識。
・ 睡眠、食事、運動。(自分に合った適度な量)
・ 過去や未来ばかりに目を向けない。
・ 人と比べない。
・ 今、目の前のことを淡々とやっていく。(仕事、家事など)
・ あまり色々なことに過度にこだわりすぎない。
等々。
70年近く仕事を続け、92年を生きてきた中村恒子先生の強くかつ柔軟な生き方には、あらゆる世代にとって、たくさんのヒントが。
人生の後半には、さまざまな制約から解放される気楽さ、今までとは違ったゆるやかな楽しみ方が待っているように感じてきます。