人間関係を見極め手放すこと。価値観

こちらの本を読みました。(オーディオブックで読了)

レイモンド・チャンドラー(著)、村上 春樹(翻訳)、早乙女 太一(ナレーター)

【Audible/オーディブル】 聴く本

(* 聴き書きのため、引用として記載した文字が底本/原本と若干異なるかもしれません。ご了承ください)


概要

私立探偵フィリップ・マーロウは、億万長者の娘シルヴィアの夫テリー・レノックスと知り合う。あり余る富に囲まれていながら、男はどこか暗い蔭を宿していた。何度か会って杯を重ねるうち、互いに友情を覚えはじめた二人。しかし、やがてレノックスは妻殺しの容疑をかけられ自殺を遂げてしまう。が、その裏には哀しくも奥深い真相が隠されていた…大都会の孤独と死、愛と友情を謳いあげた永遠の名作が、村上春樹の翻訳により鮮やかに甦る。アメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞最優秀長篇賞受賞作。
(「BOOK」データベースより)

長いお別れを描いた、長い物語です。

主人公の探偵、フィリップ・マーロウに憧れを持つ人は多いようで、クールで独特な世界観が際立つ作品。

個人的には、人それぞれの価値観の相違による埋めようのない溝のようなものが、印象に残りました。

そして、戦争というものを経験したことがある人にしか、その時代を生きた人々にしか共有できない感覚というものが、確かにあるのだと。そんなことも強く感じました。


人間関係を見極め、手放すこと。価値観

「きみは要するに、そういう類(たぐい)の人間なんだ。」

この言葉が印象に残りました。

主人公の探偵フィリップ・マーロウが、(かつての)友人テリー・レノックスに向かって言ったセリフです。

人との距離、一線を画すことについて、その難しさをあらためて考えさせられる言葉だと思います。


どうやっても道が分かれることはある

先にあげた言葉が印象に残った理由は。

・ どうにもならないことを深追いしないのも、ひとつの哲学だと感じたから。

・ 長い人生において、人間関係の見極めには、自身のゆるぎない価値観が必要だと思ったから。

・ 特定の誰かに、ぬぐえない違和感を感じるとき、多くの人はそれに気づかぬフリをすることがあり。本当は、それが人を苦しめると感じるから。

・ たとえ、相手の人生観に惹かれたり、よいところがある人物だとわかっていても、どうしても相容れない部分が存在してしまうことはあるから。

・ まるで望まなくても、誰かとの別れには、どうにもならないこともあるから。

自身の価値観をシンプルに言語化することは、余計なものを持たない生き方にもつながっている気がします。


人との関係において、常に自分の価値基準を明確にしておく

「そういう類(たぐい)の人間」とは? 

主人公マーロウの人に対する価値基準がわかる言葉を、簡単にまとめてみます。

・ 彼(レノックス)の生き方や人柄には、それなりに心惹かれるものがあった。

・ いっぽうで、何かしら歪んだところも感じていた。

・ 彼の基準は、倫理や徳義といったものとつながりを持たない。

・ 彼にはいいところがたくさんある。

・ けれど彼は、正直な人々と付き合うのと同様に、容易にヤクザやゴロツキのような人々とも付き合ってきた人間である。


どんな人にも多面的な要素があり、それをどう受けとめ判断するかも、個々に違っています。

小説の中に限らず。心を通い合わせていた人同士も、何かのきっかけでその関係が変わっていくこともありますね。


***

きみは要するに、そういう類の人間なんだ。

きみは真っ直ぐな心をどこかで失った人間なのだ。

一見、冷たそうな言葉の裏に、少し悲しげで、けれど客観的にフラットに人を見る視点をも感じたりします。

年齢、性別問わず、あらゆる人間関係というのは、どこかの段階できっぱりと縁が切れることもあれば、いつの間にかゆっくりと離れていくこともあると思います。

どんなに長い時間を共にしても、短く濃い共有時間があっても、相手がどれほど魅力の多い人物であっても。

自分にとっての許容範囲を超えた、どうにもならない価値観の相違は、ただ静かに受け入れて。その縁をほどき、次に進んでいくのみなのかもしれませんね。


もしも今、何かに悩み苦しんでいたら。

自身の価値観を問い直し。無理に続けるのではなく、手放していくことも、ごく自然の流れだと思い出してみること。

それは、自分を救うのと同時に、人を潔く、強くしてくれるようにも感じます。

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読みながら、あるいは読後に、ちょっと試してみたい気分になるかも。

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