こちらの本を読みました。
『わたしのマトカ』なんとなく元気がでない、やる気がでない・・。
そんなときに読んでみたくなった3冊をご紹介します。
旅と映画の世界にひたりつつ、気分もゆるゆると回復するかも。
誰のものでもない、自分の人生に夢中になることの素敵さ。
3冊とも、著者は俳優の片桐はいりさん。先の2冊が旅のエッセイ、3冊目が映画館・映画にまつわるエッセイです。
(出版年から時間が経っても、色あせない面白さがあり。女優・俳優業が本業とはいえ、もっと本も出してくれるといいなと期待)
どの本も、旅、映画、映画館に対する好奇心や愛情の濃さを感じます。
ユーモアや人情味のある人は、同じようにそういう魅力ある人々を呼び寄せてしまうのかも、と思うほど。
行く先々で、面白い人々、素敵な人々に出会い、そのエピソードもくすっと笑えるものから、ぎょっとするようなもの、ほんわりした気持ちになるものまで、多岐にわたります。
表現・描写のあちこちに、著者の観察力や人柄がにじみ出ていて、引き込まれます。
人生のおもしろさを再発見する。
こちらは、【フィンランド】出張中の旅エッセイ。
オールフィンランドロケの映画「かもめ食堂」で、主にヘルシンキに滞在していた時期の様子がまとめられたもの。
撮影終了後も現地に残り一人旅をしたときのことや、これまで行った様々な国のエピソードもあいだに絡められていて、読んでいるだけで旅気分を味わえます。
日本との映画業界の違い、働き方の違い、食べ物のこと、国民性など、著者の目を通したフィンランドの一面も知ることができる1冊。
こちらは、【グアテマラ】に住む著者の弟さん(現地で家族を持ち、語学学校を運営)を訪ねた際の、旅の話を中心に。
著者のご両親をはじめとする、家族にまつわる話も盛り込まれたエッセイ。
国をまたいだ家族の微妙な関係性、距離感、グアテマラという国での生活、たくましく生きる人々の様子、食べ物、珈琲のことなど。
子供のような好奇心と感受性の豊かさと、どこへ行っても現地になじんでいく人間力のようなものに、不思議な心地よさを感じたりするかもしれません。
こちらは、著者の【映画館と映画】への、並々ならぬ愛情が詰まった1冊。
子供の頃から大の映画好きで、大学時代から7年間、銀座の映画館でアルバイト(もぎり。チケット・入場券の半券を切る)をしていた当時の話を中心に。
俳優業の合間に、日本各地の映画にまつわる場所を訪れた際の話も。
各エピソードが、様々な「映画のタイトル」と絡めて綴られています。
人生を通して、全力で愛情を注げるものがある人間の強さ・凛々しさに触れられます。
(あとがきも印象的)
この世に有ることすら難しい映画館がわが町にあり、そこで映画とともに暮らす。
この奇跡のような幸運をわたしはなんとしても手放したくないのだ。だからわたしは、今日も高場で心をこめて頭を下げる。あらゆる街の奇跡を信じて。
「有難う」「有難う」と言い続けたら、有難いことがかならず起きる。
『もぎりよ今夜も有難う』
***
根がまっすぐで乙女なところもあって、好奇心に素直で。浮き沈みも激しい特殊な世界で、こんなふうに年を重ねられる人は、そう多くはないのかも。
自身を顧みりつつ、その素敵さにちょっとまぶしさも感じられたりします。
「できればこのまま、老後も映画館に通い続けたい。たとえぼけてもねまきでキネマ」
『もぎりよ今夜も有難う』
これさえあれば幸せ、という揺るぎない感情は最強だなと思います。
日々の暮らしで、少し疲れていたり、元気がでないときに。
映画・音楽・本・旅などは、心をゆるめ、目には見えない様々な豊かさをもたらしてくれます。
休日や寝る前に、ちょっとだけ、著者の目を通した旅や映画の世界に触れてみると、いつのまにか、気持ちの明るさや元気を取り戻して。途中から、映画館に行きたくなったり、旅の予定を立てたくなったりしているかも。
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